タイトルの通り、
著者の実践している低コスト生活
について書かれている本。
内容は
よくある節約本の域を出ないんだけど、
ちゃんと自身の体験をもとに
書かれている(ように感じられる)ので
一定の納得感がある。
一部除く
読んだ感じ、
おそらく本書のターゲットは
他人時間を生きて疲弊している人。
それに対してボクは
自分時間を生きてる(つもりな)ので
本書の想定読者ではないから
刺さる箇所は少なかったんだけど、
共感&カンフル剤として良い本だった。
ただ1点を除いては、、、
概要
本書は
著者自身が送っている
低コスト生活について書かれている。
本書内で
「低コストとは〇〇ということです」と
明記はされてない(と思う)んだけど、
おそらく著者の言う「低コスト」とは
- 金銭的出費
- 精神的消耗
のことだとボクは理解した。
金銭的出費っていうのは
言わずもがな支払いで失われるお金のことで、
精神的消耗っていうのは
要するに広義での悪いストレスのこと。
金銭的出費の話は
「いかに我慢せずに出費を減らすか」
ということが、
精神的消耗については
いわゆる「自分時間を生きよう系」の話が、
それぞれ著者の言葉で書かれていた。
参考:低コストライフとは(本文引用)
本書内の
低コストライフに関する記述を
引っ張ってくると、
これらあたり↓。
Ctrl+Fしたわけじゃないから(紙だからできない)抜け漏れあるはず
つまり低コストライフと言う暮らし方は、単なる節約ではなく、「等身大の自分に立ち返る作業」ということです。
p.4
この本では、(中略)「自分で自分を気に入っている状態」を追求した結果としての、低コストライフのメソッドをご紹介します。
p.6
低コストライフは、お金の流れをととのえる過程を通じて、「せねば」で身重になった自分の重荷をどんどん外していく作業であり、「ありのままの自分で満足している状態」に戻るための手段だと、私は考えています。
p.23
低コストな暮らしは「合わない環境に合わせない」スキルでもあるのです。
p.28
低コストライフは単なる節約生活ではありません。自分が心地よい住環境がなければ、成り立たない気がしています。
p.92
「本書における低コストライフとは〇〇です」って
宣言してくれないと不親切だと感じてしまうのは、
ひとえにボクがファスト教養に侵されているから
なのだろう。
勝手に要約
以上を踏まえて
本書をボクなりに要約すると、
著者の感じる
・ありのままの自分
・等身大の自分
・心地よい環境
が
(たまたま)お金を必要としなかったため、
精神的消耗を減らしていったら
おのずと金銭的出費も減って、
それが結果として「低コスト生活」と
呼べるものになったので
それを紹介しますよ、
となる。
個人的には
「たまたま」の部分が重要だと思っていて、
ありのままの自分が
散財を必要としている場合、
金銭的出費を減らすのは困難だから
本書で言う低コスト生活は
成り立たないんだけど、
その辺りについての
記述があったかどうかは覚えていない。
ただ、
この手の本にたまにある
押しつけがましさは感じず、
「私はこうしてるよ、
よかったら試してみてね、
試すのはタダだからさ」
って感じでさらっとしていた。
ボクの読書中の感覚
上述の通り
書いてある主張については
ちゃんと頭に入ってきたし
刺激になる点もあったんだけど、
一方で
書かれていないことへの不満が
出てきてしまい、
それが最序盤にあったものだから
読書中終始ノイズに苛まれてしまった。
ボクからしたら
明らかな情報欠損?なので(後述)
編集者も
たぶんそれに気づいたと思うんだけど、
それがスルーされて出版されてるってことは
著者自身が書きたくなかったのかな?
とか邪推してしまう。
以下、
本書の主題(とボクが思っている)
- 金銭的出費
- 精神的消耗
に分けて感想を書いていく。
低コスト ~金銭的出費~
掴みはバッチリ
本書の目玉のひとつが、
表紙折り返し部分に書かれている
- 家賃 :50,000円
- 水道 :1,500円
- 電気・ガス :1,700円
- 通信費 :5,400円
- 食費 :3,900円
- 交際・娯楽費:2,800円
1か月に必要な生活費
6万5,300円
という記述だと思う。
表紙折り返し部分っていうのは
読者が表紙の次に目にする場所であるから、
ここに書かれている内容は
著者(あるいは編集者)にとって
重要なものである可能性が高い。
実際ボクはこの記述を見て
食費3,900円?
電気ガス代1,700円?
マジ?
と思い、
本書を読む目的が
- 食費3,900円の実現方法を知る
- 電気・ガス代1,700円の実現方法を知る
- それらをできる範囲で自分に適用する
に固まった。
ちなみにボクの直近の
生活費はこんな感じ↓。
正直拍子抜け
期待を込めて読み進めた結果、
食費と電気・ガス代について
述べられている内容は以下の通り。
一般家庭にある冷蔵庫やエアコン、電子レンジなどの家電が、うちにはほぼないため、光熱費が低く抑えられています。また、電気・ガスの契約会社やプランはこまめに見直していて、各社の乗り換えキャンペーンなどを利用するようにしています。
食費は、普段スーパーで買う野菜、卵、果物代です。米、味噌、煮干しなどの乾物類といった基本的な食材は、ふるさと納税の返礼品なのでこちらには含めていません。
p.42
それ以外の関連情報は
- 春夏秋は1日3食、冬は1日2.5食(2食+軽食)
- 活動時間≒日が昇っている時間(照明代がかからない)
という情報くらい。
以上から
毎月の出費に関わる要素を抜き出すと、
- 電気を喰う家電がほぼ無い
- 照明代がかからない
- 電気ガスのプランは(おそらく)最安
- 野菜、卵、果物しか買わない
- 1日最低でも2.5食は摂っている
となる。
この情報だけで
- 食費 :3,900円
- 電気・ガス代:1,700円
と言われて納得できる?
ボクはできない。
本の目玉として
インパクトある数字を載せておいて、
それの実現方法(再現方法)が
書かれていないっていうのは
ちょっといかがなものかと思う。
筋通ってなくね?
妄想:この手の本のビジネスモデル
他の「月〇万円生活」を冠する
節約本やミニマリスト本も
同じことをやってるから
「このくらいいいでしょ」と
思ったのかもしれないけど、
少なくとも
ボクの著者(編集者)に対する信頼は
限りなく低くなった。
ガッカリ。
この手の本のビジネスモデル?的に
ファンと一見さんに売り切ればOK
って感じで
本書でファンを増やそうとかは
考えて無さそうだから、
目立つ数字でとにかく注目してもらって
買わせた時点で勝ち(あとは知らん)
ってことなんだろうな、と妄想。
たから
本書を既に読んでしまった
ボクからの信頼を失ったところで、
著者(編集者)は
痛くも痒くもないんだろうけどさ。
ていうかそもそも購入してないから
金銭的にはボクもノーダメージだから引き分けか?(笑)
いや時間分損してるな。
もし本書にお金を出してたらもっと怒り散らかしてたと思う。
余談①:住民税&社会保険料はコストではない?
上述の通り、
著者の生活費内訳には
- 住民税
- 社会保険料
が含まれていない。
生活費を公開した月に
たまたま支払いが
無かっただけかもしれないけど、
全く触れられていないから
おそらくコストとして
カウントしてないじゃないかな?
ふるさと納税で食費を補填してるくらいだから
支払い義務がないってことはあり得ないはず
まぁ
これらの出費は
収入に対して割合で決まる額を
未来に支払うものなので、
生活費とは違うっていうのは理解できる。
おそらく
著者の生活費の定義は
「会社員で言うところの
手取りから出ていく出費」
あたりなんだと思う。
ただ、
これらついて
一言触れて欲しかったな、
って思うボクは我儘ですよね、はい。
ついでに言うと、
こちらは少し触れられていたと
記憶しているけど、
上述の生活費は
消耗品や衣類の出費がない月のものを
代表として載せている。
消耗品は月平均400円とのこと。衣類の月平均は不明
そのこと自体は(一応)
断っているからいいんだけど、
載せたデータが
チャンピオンデータなのか
平均的な月のデータなのかくらいは
やっぱり示してほしかった。
って思うボクは我儘ですよね、はい。
余談②ボクが食費3,900円、電気ガス代1,700円を実現するなら
書かれていないモノはしょうがないから、
ボクならどうやって
- 食費 :3,900円
- 電気・ガス代:1,700円
を実現するか考えてみた。
そしたら
滅茶苦茶長くなりそうなので、
そのうち別記事にすることにした。
低コスト ~精神的消耗~
話変わって
本書の主題(とボクが思っているもの)の
もう一方、
精神的消耗(=広義の悪いストレス)について。
こちらに関しては
いわゆる
「他人時間に生きるんじゃなくて
自分時間を生きよう」
っていうよくある話が、
著者の実体験に基づいて
著者の言葉で書かれている。
出費の方とは違って
説明不足感がなかったので、
本当に著者はそう感じてるんだな、
と素直に思った。
とはいえ
- 結局のところ「よくある話」であること
- ボクが既に自分時間を生きていること
から、
共感こそすれど刺さる箇所は少なく、
サラッと流してしまった感は否めない。
出費の方で大きな突っ込みどころがあったから尚更
あと、
「著者の言葉で書かれていた」ってのはオブラートで、
Youtuberは決して著作家(文字書き)ではないんだな~、などと。
共感した/刺激になった表現6選
以下、
全編通して共感した点、
刺激になった点を挙げていく。
「好き」を分解して低コストで置換する
例として
スタバに行く
→外である+珈琲+お菓子+音楽
と分解し、
それぞれ
- 公園に行く
- 自前の珈琲を用意する
- 自前のお菓子を用意する
- 自前の音楽を用意する
で置換すれば、
スタバに行かずに出費を抑えつつ
スタバで得られる満足が得られる
という主張。
これは
はたから見れば
「スタバを我慢していること」になるけど、
低コストで同程度の満足と置換できたと
自分を納得させることができるならば、
それは主観では我慢にならない、
ということだと理解した。
この
「自分で納得する(=自分の価値観で生きる)」
っていうことの重要性が
本書の至る所で書かれていて、
これにはとても共感。
不足を補うより現状に満足する方が早い
この手の表現を見るとボクは
ピーナッツの
“YOU PLAY WITH THE CARDS YOU’RE DEALT”
とか
ONE PIECEの
「失った物ばかり数えるな!
お前にまだ残っておるものは何じゃ!」
とかを思い出す。
もはや
陳腐な表現と言っていいけど、
それだけ芯を喰ってるってことかと。
お金を使わずに過ごすのは筋トレみたいなもの
低コスト(低出費)生活は
習慣の結果なので、
時々思い出したかのように
実施するのではなく
毎日コツコツと実施しないと
身につきませんよ、とのこと。
その通りだと思う。
ボクはどういうわけか
貯金できない人の
気持ちがわからないっていうレベルで
これが自然と身についていたので、
低コスト(低出費)生活の適性があったのだろう。
仕事×趣味×日常の配合
これは
ボクにない考え方だったから
いい刺激になった。
ボクの曲解によると、
日々の活動を細分化して
それぞれをカードに見立てて
生活デッキを作り、
そこから良い感じのコンボを見つけて
楽に過ごすってこと。
たまたまだけど前述の
「配られたカード~」の例えと
親和性があるな、と。
ボクの生活に当てはめると、
ホットクック待ちの70分は
インターバルとして
利用できそうだからその間何かする
とか
髪を刈ったついでに風呂掃除する
とか?
ひとつひとつはショボいけど
チリツモでストレスが減って
良いような気がする。
「よかれ」という穏やかでしんどい圧
企業が作った価値観の押し付けのこと。
本書では「よかれ」と書かれているけど、
実際は「物を売りたいから」以外の
何物でもないと思う。
他人の価値観に踊らされるな
そのためには
自分の価値観を確立しろ
っていうよくあるやつの
著者なりの表現かと。
陳腐だけど(以下略)
追い求めると手に入らない
原文はこう↓。
もうちょっとという気持ちが出てきたときは、少しだけ諦めてみることが有効。諦めると進めるというよりも、自分がしつこく追い求めていると手に入らないと言う方が正しい気がする。
p.222
株とかFXで言うところの
底で買って天井で売るのは不可能
ってやつだと理解した。
底や天井を見極めようとすると
得られなかったものばかりに
注目が集まってしまうので、
ある程度のところで判断しちゃった方が
トータルで低コストになるよ
ってやつ。
これも陳腐化(以下略)
まとめ
- 「低コスト生活」を読んだ
- いわゆる「よくある節約本」だけど、良い共感&カンフル剤になった
- 低コストとは、おそらく「金銭的出費」と「精神的消耗」のこと
- 金銭的出費に関しては、明記された生活費の説明が不十分で筋が通っていないと感じた
- 精神的消耗に関しては、いわゆる「自分時間を過ごそう」的なことが著者の言葉で述べられていた
- 「日々の行為を細分化→いい感じに組み合わせる→ストレス減る」っていう考え方が新鮮だった
低コスト生活を送るにあたって
役に立つことがたくさん
書かれていたんだと思うんだけど、
序盤に書かれていた
生活費の説明が不十分だったせいで、
それが気になって
以降全ての内容が薄れてしまった感がある。
なんていうか、
信頼を築くのは大変だけど失うのは一瞬
っていう言葉が脳裏をよぎった。
以上、
それでは~
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