タイトル借り。
古い本(2009年)というのは
若干気になったけど、
「王道」というからには
今でも通用するような
節約ノウハウが
書かれているのかな~
とか考えながら読んでみた。
読後、
これは
たしかに「王道」と言える
と感じた。
思ってたのとは違ったけど、、、
概要
古めかしく小気味よい文章
本書をボク的に一言で表すと、
古めかしく
小気味よい文章で書かれた、
節約の皮をかぶった人生論
となる。
古めかしく小気味よい文章
っていうのは、
なんか
「万象一切灰燼と為せ!」
とか言い出しそうな文体
っていうこと。
著者の専門のひとつに
国文学とあったから、
なんか納得。
BLEACHの作者もこの文体好きそう
果たしてこれは「節約」なのか?
第一章である”食”には
食費を浮かすための
ノウハウっぽいものが
書かれていて、
「なるほど
こういう方法(考え)もあるのか~」
とか思いながら
読んでたんだけど、
そこから徐々に
ノウハウというよりは
精神論というか
行動理念みたいな方向に
徐々に話が移っていき、
終章のタイトルは”節約と人生”。
そこでは
こう締めくくられている↓。
無駄にしてはいけないのは、お金だけではありません。人が生きる上で一番無駄にしてはいけないのは、やはり人生の時間だと思うのです。
だからこそ、そのような後悔のない生きかたをするということこそが、人生を無駄にしないという意味で、究極の節約なのかもしれません。
pp.217-218
あ…ありのまま
今起こった事を話すぜ!
おれは
節約の本を読んでいたと思ったら
いつのまにか
人生論について読まされていた。
何を言っているのか
わからねーと思うが(以下略)
全体通しての感想
何というか、
良くも悪くも
古き良きって印象。
書かれていた
行動指針には
賛成できない意見も
結構あったけど、
全体通して
一本芯が通ってる印象で
好感が持てた。
タイトル詐欺ではない
ボクにとって
最重要な要素、
タイトル詐欺か否か。
本書は
タイトル詐欺ではない。
これまでのパターンだと
「節約の王道」という
タイトルのくせに
節約のノウハウから
フェードアウトして
人生論に着地してるじゃないか、
これはタイトル詐欺だ!
とか
ギャーギャー
言い出すんだけど、
本書については
言うつもりはない。
なぜなら
そのタイトルに
納得してしまったから。
その理由は、
タイトルが抽象的である
ということが一つ。
タイトルの意味について
作中でちゃんと触れられている
ということが一つ。
もう一つは
そこで
明記されている内容が
取ってつけた
言い訳がましくなくて、
ちゃんと本書の内容を
反映していて
納得できたから。
うん、良い本だ。
文体の力ってすげー
ここまでで
ちょくちょく
文体が小気味いい
と書いているけど、
その例を示す。
たとえは
「節約の王道とはなんぞや」
ということについて、
本文から引用するとこうなる↓。
「そういうふうに(自分の生活を)無限に自省し、直視し、そして宜しからざるところあらば、悪しきは廃するに躊躇せず、宜しく改むるに逡巡せず、それが言ってみれば節約の王道である。」
pp. 221-222 ()内はボクが追記
これを解釈した内容を
ボクの言葉で書き直すと、
人生軸で目標を持って
絶えずPDCAを回すことが
節約の王道
となる。
ボクの言葉になった途端、
急に薄っぺらく
説得力が弱くなってしまう。
文体の力ってすげ~。
ボクの解釈が著者の主張と異なっているだけの可能性もあるけど
他にも
この「文体の力」は、
主語が大きくても
一般論としてじゃなく
著者個人のこととして
読めてしまうから、
いちいち引っ掛かることなく
「ふーんそうなんだー」
とすんなり頭に入ってくる
という効果があった。
たとえば
タイトルにある「王道」も、
「一般的な正攻法」ではなく
「著者にとっての行動指針」
みたいな意味で
頭に入ってくるから
違和感なく納得できた。
この文体、
ボクに対してメッチャ効くな(笑)
その他、
- 虚心坦懐
- 灰聞
- 頭の上の蝿を追う
- 思惟
みたいな
国語の授業にしか
出てこなさそうな
単語や言い回しが出てきて
面白かった。
こうやって改めて
感想記事として
振り返って書くと、
本書の内容と
タイトルの関係は
やっぱりなんか
こじつけて
はぐらかされてる感が
してきたけど、
まあ読んだ当初は納得したから、
ヨシ!
気になったフレーズ5選
気になったフレーズの
紹介とコメント。
今回は
著者の行動理念に対する
ボクの賛否について
いくつかを
ピックアップしてみる。
完全同意な考え
①派手な儀式ほど愚かなものはない。
私はこういうもの(冠婚葬祭)に盛大にお金をかけるのは究極の無駄遣いだと思っています。そんな虚礼のようなことにお金は極力使いたくないというのが正直なところです。
p.70 ()内はボクが追記
完全に同感。
特に葬式関係。
お坊さんの謎の呪文や
戒名、お墓に
何十万も払うなんて
馬鹿だと思う。
まさに虚礼。
②誰か一人だけガブガブと飲んで、その飲み代を他の人に負担させるという不愉快なこと
twitterとかで
炎上しそうな話題(笑)
以前旅行した時に
このことを書いた
記憶があるけど、
普通に考えておかしいでしょ。
飲む飲まないを
若干考慮した
定額会費制なら百歩譲れるけど、
単純な割り勘って、、、
イギリスでは
その場の全員が
歩調を合わせて飲むとのこと。
だからこそ成立する
round buyingなる
割り勘の亜種(順番に奢る)が
一般的らしい。
これには
店の支払いシステムも
絡んでくることだから、
即日本でも適用とは
いかないけど、
(少なくとも金銭面では)
平等なシステムが
一般的でうらやましい。
ただこの場合、
酒好きな人が
飲めない人のペースに合わせて
我慢してストレス貯めてるのかな、
とか思ったり。
なんていうか、
別会計が一番健全だよな、と。
同意できない考え
③ご祝儀はお金で渡さない
結婚式のご祝儀は
お金は渡さず、
金額のわからないもの
(骨董品)を送るとのこと。
これだけなら
思想が若干
押し付けがましいと感じるけど、
別に相手が納得してれば
いいことだと思う。
ただ、
別の節で
「ものをあげても
使ってくれないとモヤモヤするし、
ものをもらっても
使えないとモヤモヤする」
「引き出物もいりません。
私は引き出物をもらって
嬉しかったことなど一度もない。
もらう方の身になって
考えてみなさいと言いたくなります」
と書いてある。
骨董品をもらって
モヤモヤしない人がいないとでも?
要は
「ご祝儀にお金を渡したくない気持ち」
が
「ものをあげても
使ってくれないとモヤモヤする気持ち」
を上回っただけなんだろうけど、、、
もらい物が使えないと
モヤモヤするその感覚を
ほんの少し…
ほんの少しでだけでいいから
ご祝儀に骨董品をもらう人達に、
なんで分けてやれなかったんだ!!!
④保険料は節約しない
ボクとは
根本的に考え方が違う。
ボクには
扶養家族がいない
というのもあるけど、
ハズレ(病気、ケガ)を引くと
大金が貰える宝くじに
お金をかける気はしないな~
まあ
これが著者にとっての
王道なんだな、
で終わる話ではあるけど。
高額療養費制度に
触れてないのはどうしてだろう?
2009年(本の出版時)って
この制度、なかったのかな?
既にあったっぽい
⑤投資や株などの無用なリスク
著者的には
投資や株は「一攫千金」に
分類されるらしい。
2009年当時は
これが主流の考え方
だったんだろうか?
でもまあ、
インフレを考慮しても
生活するのに
充分な収入(貯金)があるのなら、
元本割れのリスクがあるものを
割けようとするのは
わからなくもないかな。
結局
NISAとかも
政府が国民の老後の金銭面の
面倒を見れなくなったから
各人に丸投げしたっていう
側面もあると思うし。
そもそも国民は
老後の資金に政府をあてにするなって話だけど
とはいえ、
お金とは、地道に儲けるからこそ価値があるのです。こつこつ努力した結果として、その対価をもらう。(中略)それがまっとうな稼ぎ方で、時代がどんなに変わろうと不変の真実だと思うのです。
pp.53-54
っていうのは
どうなんだろ?
AI時代に
機械のできる仕事を
奪ってまで
こつこと低効率で
行った仕事の対価が
まっとうなのかな?
非効率覚悟の雇用維持では?
まとめ
- 「節約の王道」を読んだ
- ”節約”の皮をかぶった人生論だった
- 節約の王道とは、人生軸で目標を持って絶えずPDCAを回すこと
- 内容どうこうというより、読んでて気持ちいい文章だった
よく考えたら
ボクの生活は
もうこれ以上
出費を減らす要素は
ないんだから、
節約ノウハウを読んでも
適用できるものなんて
効果がたかが知れている
ものくらいしかないはず。
そういう意味では
効果の薄い
節約ノウハウではなく
人生論が書かれた本書を
読めたことは
ボクにとって
価値があったのかもしれない。
って言いつつ
また節約本を借りるんだろうな~
それでは~
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