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【本の感想】学問紹介本【大学准教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について】

〇本の感想
〇本の感想

以前読んだ
マッチング・アプリ症候群
に続いて
マッチングアプリ系の本。

タイトルが長い。

以前の本が
面白人物事例集だとすれば、
今回の本は
学問紹介本

また
求めてた感じの本ではなかった。

内容が整理しやすかったので
要約をしてみたら
長くなってしまった。
ので本記事末尾にぶら下げた

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概要

タイトル通り
マッチングアプリをベースにした、

  • マーケティング
  • 行動経済学
  • 経営戦略
  • 社会学

の紹介本。

それぞれを
浅く広く紹介してくれる。

全体の流れ

高年収800万の
大学准教授(男)が
マッチングアプリに
挑戦する過程を
ブログに書いて行く、
という体で話が進んでいく。

全体の流れは

  • 婚活してみようと思い立ち、
  • 適当にやってみるも上手くいかず、
  • マーケティングによりプロフィールのPVを集め、
  • 行動経済学の手法を使ってマッチング&デート数を増やし、
  • 経営戦略に基づき競合男性に対する優位性を確保しようとし、
  • 最後は婚活という社会現象に触れておしまい

って感じ。

全体の感想

全体の感想を一言で言うと、

「序盤は設定で損してるけど
学問紹介本として読めば面白い」

となる。

以下詳細。

本書に「マッチングアプリエンタメ」を期待したらダメ

タイトルのラノベっぽさから
エンタメ的内容を予想した
けど、
その実学問メインなので
肩すかし感がすごかった。

というかその時点で
一度見限ろうかと思った。

ただ、
そういう本だと
認識を改めれば
それなりに楽しめる。

本書は導入部で損してる気がする。

書いてて思ったんだけど、
このタイトル
エンタメ要素を期待した
ボクに問題がある気がしてきた(笑)

設定が中途半端

本書は
「主人公が
マッチングアプリの体験を
ブログに書いていく」

っていう設定で
書かれているんだけど、
それが全然活かせてないと思う。

たまに
ブログに付いたコメントという体で
ツッコミが入るけど、
そのツッコミに全然キレがないし
頻度も低い。

そして
肝心な内容においては、
コメントではなく
リアル友人のアドバイスに
頼っている。

以上の理由で
本書は設定を生かせてないと思った。
具体例は後述

主人公に全く感情移入できない

序盤は
「マッチングアプリ×学問」
の要素がなく、
主人公が
マッチングアプリを
始めてみるところから
話が始まるんだけど、
主人公に
全く感情移入できなかった
ので、
読むのをやめようと思った。

なぜなら主人公は
「どうやったら婚活がうまくいくのか?」
を実験(フィールドワーク)することを
目的にしており、
「なぜ結婚したいか」が
抜け落ちているから↓。

結婚が幸せにつながるということは、一般論としては知っていても、どういうことなのか理解できない。

1週間ほど施策を巡らせた結果、やはり経験してみるしかないという(中略)思いつきに、再度たどり着いてしまった。

私がこれまで蓄積してきた学職を総動員して婚活という現象に挑戦してみるのはどうだろうか。要はフィールドワークだ。研究するように婚活する。

p.14, 15, 19

結婚ってどういうことなんだろ?

やってみなきゃわかんないか

研究のノリで婚活したろ

っていうのは
少なくとも
一般人(ボク)の感覚からは
乖離している
と思うんだけど、
そこに対するフォローがない。

それに加えて
次にとった行動が、
女性の平均的ニーズに合うような
プロフィールを作り、
それに合わせる形で

あとから
800万超えのBMWを買ったり
ジムやスキューバライセンス取得を
始めたりする
というもの。

理解不能。

前述の通り
作中にも一応コメントによる
ツッコミがあるけど、
全然キレがなくて
読者の代弁者たり得ない↓。

なんかまず、「なんで結婚したいのか」と「結婚してどういう生活をしたいのか」を考えてから婚活したほうがよいのでは?

「どうやったら婚活がうまくいくのか」の人体実験することが自己目的化してないですか?

BMW買ってんの笑った。

p.44

「主人公=学問紹介のための舞台装置」と思うとストレスなく読める

でも
本書の認識を
「マッチングアプリを出汁とした学問紹介」
と改めればそれなりに面白い。

なので、
本書における主人公は
感情移入する対象ではなく、
学問紹介のための舞台装置
だと思うとストレスなく読める。

少なくともボクはそうだった

学問紹介本としての感想

前述の通り、
学問の紹介に
都合がよくなるように
主人公の
マッチングアプリの
進捗が進んでいく感じなので、
物語に対する
感想は特にない。

では
学問紹介本として
見た時の感想はというと。

へ~勉強になるな~。

って感じ(小並感)

どんな流れで
どんな学問が
紹介されるかについては
本記事末尾の要約
見てもらうとして、
各学問の感想としては
最後の社会学編が
一番おもしろかった。

とはいえ
なんかどこかで
聞いたことがある内容だし、
「女性にとって結婚は
人生を賭けたキャリアメイク」
みたいな
ジェンダー?
フェミニズム?的にどうなの?
ツイッターなら炎上しない?
っていう記述が出てきたりして、

納得した!

というより

いろんな考え方が
あるんだなぁ~

って感じ。

気になったフレーズ3選

気になったフレーズの
紹介とコメント。

なんでこんな非論理的かつ効果が検証されていないことを成功マニュアルとして断言できるんだ。p.16

これには共感。

同様のフレーズに、

何を根拠にこんなことを言えるのかという怒りも湧いてきた。

「特効薬」を口にするコンサルタントは、一切信じてはならない。

p.16, 102

がある。

本書では主人公が
この無根拠さを許せず、
結果として
フィールドワークとして
婚活を開始し、
その過程で
800万のクルマを
買ったりするわけだが、
その行動には全く共感できない。

研究者ってみんなこうなの?(たぶん違う)
ヤバいな(笑)

政策として「壁ドン教育」を提言

調査の結果、
恋愛格差の存在が
未婚化晩婚化に
影響していることが
わかったらしく、
それを受けて

2020年4月、
内閣府の研究会において、
教育に
「壁ドン・告白・プロポーズの練習」
を組み込むことを
政策として提言された

とのこと。

冗談でしょ?

って思うけど、
どうやらガチっぽい
提言者を見ると、「あぁ、、、」って感じ

そんなことを
真面目に議論するほど
未婚化晩婚化が
ヤバいのかな、と。

逆にとらえれば、
ちゃんと政府は
未婚化晩婚化がヤバいと
認識してくれてるってこと?

でも
それにしては
少子化政策は
アホらしいもの
ばっかりなんだけど、、、

いや、
そもそも
壁ドン教育自体がアホらしいか。

Q:これも既得権益中間組織の影響だったり?
A回答は差し控えます

本来の婚活の定義:「女性は妥協して結婚しよう」

本来の「婚活」とは、

年収400万以上の男性は
19%しか存在しないので、
女性はその現実を受け入れ、
妥協した現実的結婚を
目指す概念

として生まれたらしい。

でも
日常用語として
定着した結果、
なぜか婚活の意味は
「女性が高収入の男性を獲得する活動」
となり、
本来と真逆になってしまった、
とのこと。

どうせマスコミのせいでしょ(偏見)

まとめ

  • 大学准教授がマッチングアプリに(以下略)を読んだ
  • エンタメ本ではなく、学問紹介本だった
  • 学問紹介本として読めば、まあまあ面白かった(要約参照)
  • マッチングアプリが恋愛&結婚格差に与える影響は大きいと感じた
  • ボクは恋愛(かつ経済)弱者なので、ひっそりと生きようと思う

前読んだ本に書いてあったけど、
恋愛弱者にとっては
強制的に集団生活を強いられる
小中高校って
貴重な恋愛環境だったんだな~、と。

それでは~

以下、
おまけの本書の要約↓。

おまけ:自分なりの内容要約

本書の肝と思われる
「マッチングアプリ×学問」
の部分を、
主人公の行動と成果の
流れに沿って
ボクなりに要約してみた。

感想ではないので
「おまけ」扱い。

マーケティング編

婚活を成功させるためには、

  • 自分自身を製品に見立て、
  • 価値が相手に届くよう流通に乗せ、
  • 認知されるべくPRする

という考えに基づき
プロフィールを変えたところ、
PV数は増えたが、
マッチングはゼロ。

STP分析
対象を絞った結果、
マッチング数は
増えるようになったが、
その後のメッセージが続かず

解消されてしまう。

これは
「PRには成功したが、
実際の購買行動までは至らない」

という状況。

実際の購買行動につながるのは、
その製品が特別な体験を
提供しているから。

せっかく私に興味を持って
マッチングしてくれたのに、
実際の私は
メッセージのやり取りを通じて
特別な体験を提供していない。

行動経済学編

相手も損失回避性
有していると仮定して、
プロフィールに
限定要素を追加

アンカリング効果を参考に、
上述の限定要素を
プロフィールの先頭にした

ナッジ効果を参考に
料理の写真を掲載し、
食事の話題から
「今度ここ行かない?」
という流れに誘導

誘導の効果があり
デートの回数が増えた

サンクコストを考慮した
相手からの損切により
3回目以降デートが続かない

経営戦略編

競争相手である
他の男性に対して勝つ

という考えが今までなかった。

経営戦略論の考え方を適用。

マッチング申し込みの質 or 量の軸と
アプローチの範囲広く or 狭くの軸で
4つのアプローチ法に分類。

自分が競争優位に立てそうな
アプローチ法を採用。

そもそも
これで優位に立てているのか?
疑問に思うが、
アプリの仕様上確認できない。

アプリは評価指標が
予め用意されている
ので、
みんなが最適解に
近づこうとすると
相手から見たら
みんな同じに見えてしまう。

プロフ上はイケメンが量産される

これは同型化戦略というやつ。

最も合理的な戦略だけど、
それで勝てる根拠がないと
埋もれて終了。

ただしイケメンに限るってやつ

アプリ上で比較可能な
評価指標以外で
勝負できれば、
相手に対して

優位性を確保できる。

ここで都合よく
取材を受けて
記事がyahooニュースに載る。
アプリの評価指標以外の武器をゲット

プロフィールに
取材を受けた
ニュース記事のURLを載せる。

目に見えて
相手が好意的になる。

相手からの損切も回避した。

いい感じの相手から
結婚の匂わせ発言も得た。

主人公の
「結婚への道」は以上で終わり。

社会学編

パパ活

パパ活の誘いの体験もした。

不快だけど、
需要があるから生存している。

パパ活とは、
マッチングアプリという
戦場を手に入れた(一部の)女性が、
自身の武器である
若さと美貌をつかって
相場以上の利潤を
金銭に余裕のある(一部の)男性から
得ようとしている活動と言える。

パパ活は

社会の歪みなのか、

若者の居場所探しが
先鋭化されたものなのか、

現在も議論が続いている。

恋愛、結婚格差

昔は恋愛格差を
お見合いや仲人システムが
カバーしていた。

しかし、
自由恋愛結婚が
当たり前になったことで
自力で結婚しなければ
いけなくなった。

そんな中
マッチングアプリにより、
いつでも会いたい人を
探して会える機会が提供された。

ただ
アプリは
コミュニケーション能力までは
提供してくれない。

その状態で
コミュ力不足な人間が
婚活市場に参入したらどうなるか?

恋愛、結婚格差の出来上がり。

結婚観の変遷

1970年代頃:ロマンティックラブイデオロギー

結婚というゴールが
設定されていて、
恋愛とは
そのゴールに向かう過程として
正しいもの
であるという考え方。

1990年代:ロマンティックマリッジイデオロギー

恋愛関係に基づいた結婚が
正しいもの
である、に変化。

現在:ロマンティックマリッジイデオロギー2.0?

自分が相手に求める条件の人と
マッチングしていることを前提に、
その人に対して
恋愛感情をいだけるか否かによって
結婚の可否を判断
、に変化。

以上。

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